Walking to the Sunrise
傑作『CHIYORI』のリリースから2年。RUMIやYAMAAN、DOOBEEISらとのコラボを繰り広げ、バンドでのライヴ活動も精力的なCHIYORIから新作が届いた。レゲエやヒップホップを下地にしたディープなトラックと民謡のように転がる歌声の不思議なコンビネーションは今回も絶品で、その素朴な美しさをいっそう深めている。盟友IMGのビートを携えて暗夜を往く“BACK HOME"に象徴的な前半は、不安と隣り合わせた現実世界が窓の外を流れていくようなムード。中盤以降はトンネルを抜け、仙人掌のミックスCDで披露されていた“FANTASIA"やSTUTSとの“LOVE & LIGHT"、流麗なギターも効いた“夕陽の鏡"など、幻想的な佳曲から柔らかい希望が徐々に射し込んでくる。たおやかで濃密な、またも傑作。