想いあふれて
2002年に15才でアルバムデビューしたあやや。その当初は楽しい歌をうたうとてもかわいい美少女アイドルだった。凝ったプロモーションに推されながら、抜群の個性を見せつつ、国民的アイドルの頂点に近づいていった。もちろん歌唱そのものの上手さが基本にあったし、ある種の奇抜路線でセカンドアルバム(2003)・サードアルバム(2004)も成功を収めた。 成長とともに問題になるのが、大人らしさと少女らしさのバランス・ギャップ。ベスト盤(2005)発表の後、雰囲気を変えたアレンジのセルフカバーアルバム(2006・DVD付き)を発表し、等身大の歌唱をアピールする作戦に出た。ファンにしてみると新曲の発表が少なく、そのもたつきがじれったい時期でもあった。 満を持して発表されたのが前作「ダブルレインボウ」(2007)。あやや自身も語っているように、当時の等身大の自分として納得できる歌詞でありメロディーであったようだ。聴いていても、強い声で歌い上げた正統派の松浦亜弥が心地よい、出来の良いアルバムだった。 今作もその路線を受け継いだ、22才のあややにふさわしい秀逸な一枚となっていることだろう。楽しみだ。 ***追記*** 実際に聴いてみて、どんな曲でも軽妙に歌いこなす松浦亜弥に感心しました。 歌詞も大人で、セルフコーラスのハーモニーもこころにくく、上出来です。