緑
世界初の中国民族楽器琵琶と和楽器尺八とが、奏でる弦と竹管の醸し出すハーモニー、琴古流の名手三橋と最近活躍中の中国琵琶の名手シャオ・ロンとの融合は目を見張るものがある。 とくに、宮城道雄が昭和4年に作曲した「春の海」は、過去に尺八以外の西洋の管楽器と琴との合奏を聴いたことは多々あるが、聞き慣れた尺八と琴の演奏を越えるものは無かったように想う。しかし、このデュオの演奏には、琴とは違った繊細な琵琶との掛け合いに雄大な海にうねる波に反射する陽光の細かい光の反射がよりきらびやかに聞こえた。一層細やかで新しい春の海に出会ったようの思う。