凍狂
八十八ヶ所巡礼、3年ぶり通算7枚目のアルバム。 これまで通りの8曲構成。 祝祭みたいなハイスピードなノリで始まる1曲目の「虚夢虚夢」。 続く2曲目の「金土日」では引き締まったビートにソリッド&タイトなサウンドが反復していくうちに終盤加速。 3曲目の「脳の王国」ではグルーヴィーながらギターはメロディアスで踊り疾走していく。 4曲目の「幽楽町線」ではストレートに前のめりで走るパンク・ロックかと思いきやギターがデス・メタルにギア・チェンジからロマンティックなメロディに転換する展開激しいシアトリカルな一曲。最初と最後の電車と踏切の音が恐い。 後半に入り5曲目、アルバム・タイトル曲の「凍狂」は、ドゥーム・メタルの変形で始まるもキャッチーな展開進んだかと思えば加速し目まぐるしい「八十八ヶ所巡礼節」な一曲。 続く6曲目「月斗」は2分45秒の中にハード・コアとパンク、ヌーヴォ・メタルがぶつかり合う前のめりな曲。 王道プログレの薫り漂いつつドラマ性を帯びた歌詞とめくるめく変化のギターが色付ける構成が圧巻な7曲目「紫光」。 ラスト8曲目「永・凹・阿阿瑠」は繰り返されるフレーズに併走していくドリーミーなギター、ファンキーなベース、硬質なドラムスによる心地よさ8分近いロング・ナンバーながら一気に聴かせる。 最後の最後にボーナス・トラック「怪感旅行」では四つ打ちドラムで始まったかと思ったらスラッシュ・メタルとメロディック・スピード・パンクが交互に飛び出してくる。ライブのアンコールにやったら盛り上がり必至のユーモラスな曲。 アルバム・ジャケットは毎度おなじみの奇才、谷口崇。 イエスのアルバムで知られるロジャー・ディーンの画をはじめとする往年のプログレッシヴ・ロック・バンドのジャケットを思わせる。