Voyage
"スーパーコージのVoyageは、彼女のダウンテンポワークに焦点をあてた初のソロ・チルアウト・アルバムだ。2018年に南仏ニースに再移住するまでに16年に渡り住んだバリ島で、ブルガリ・リゾートのコンピレーションCD用に製作した5、7や現地で人気のリゾートファッション・ブランドのビースポーク・アルバム用の1、8など様々なプロジェクトのために制作した6曲と、現在拠点にしているニースで短編映像作品のために製作した3曲のサウンド・デザインを収録した50分に及ぶ全9曲の作品である。 ゲストとして、日本の著名サックス奏者でバリ島で彼女と親交のあった朝本千可がオープニングで浮遊感漂う美しいソロを効かせているほか、イギリスのサイケデリック・バンドとして世界的人気を誇るシュポングルの歌姫ミシェル・アダムソンがミニマシーン名義で6に参加している。 1999年に母国の日本を離れ、デジタル・ノマドとしての人生を20年にも及んで送ってきた彼女。自然にどの曲も映画のサウンドトラックのように彼女の人生のある時期を切り取っており、当時の彼女の精神状態やその場所の空気感をまるで真空パックしたかのように内包している。航海(ボヤージュ)というタイトルが示すように、これは地図のない航海を続けてきた彼女にしか作り得なかった作品だと言えるだろう。 コロナ禍で閉塞感が蔓延している時代において一服の清涼になればという思いでリリースされた本作品。各楽曲にまつわる下のエピソードを読みながらぜひ航海を楽しんでほしい。そして水平線にやがて現れるであろう夜明けの一筋の光を感じてほしい。 "