Dramatic
いわく「1人で演奏しているように聴こえない」、いわく「日本のみならず欧米でも高い評価」…、しかし、人気実力の真の理由は彼が無二のギター好きだということに尽きる。2002年、34歳でデビュー。決して若くはないタイミングが彼の音楽に闇雲な情熱だけでなく、音楽を作ることへの感謝の気持ちを加えていて、“癒し系”なんて言葉に拒否反応を示すリスナーさえも音楽の力で巻き込んでしまうのだ。さて、ギター・オンリーの待望のリーダー作第2弾。メロディにラテンやボッサの陽光を、リズムにはロックやファンク、ジャズなどの押尾流ハイブリッド感覚があふれる躍動的な1枚。加えて「カノン」「ボレロ」といったクラシック曲のギターでの解釈がおもしろい。(石角友香) セカンド・アルバムはオリジナル曲のなかにパッヘルベル(5)とラヴェル(6)を組み込んだ全11曲で、軽やかな印象の佳作。なによりもギターを弾いているときの、押尾の“楽しさ”が伝わってくるところが素敵だ。おかしな背伸びをしていないから、聴き手の耳も素直になってしまう