賣笑エクスタシー
本作は2003年2月23日に発売した椎名林檎のサードアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の発売を記念した開催したコンサートイベント「実演生中継 賣笑エクスタシー」を映像化した作品である。通常の椎名林檎のイベントと違いこのイベントは斎藤ネコ率いるオーケストラ「ノラネコオーケストラ」の演奏によるイベントである。タイトルの「実演生中継」とは、東京に来られない全国のファンの為に九段会館から全国にあるホール・ライブハウスで生中継で放送する処置を取った。また当日は百色眼鏡に出演した俳優、小林賢太郎がゲストで出演して場内を盛り上げた。 このイベントは『短篇キネマ 百色眼鏡』と公式サイト「性(さが)」と連動したイベントで、九段会館以外の映像を放送する場所名を当時の公式HP上にあった架空の映画館「ニツケルオデオン性銀映」と統一されている。またDVDでのメニュー画面もさまざまな仕掛けが施されており、実際に「ニツケルオデオン性銀映」館内を散策する様に売店や講堂へ進む画面構成になっている。 購入者への特典は本編のコンサートイベント以外に、シングル「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜」と『短篇キネマ 百色眼鏡』のCMと、『加爾基 精液 栗ノ花』の日本国内向けと海外向けのCMが収録。また今まで非公開だったデビュー前に行った東芝EMIの社員へのお披露目会「社内デビュー・コンベンション」で披露した、ピアノの弾き語りによる「ここでキスして。」の映像。さらにデビュー5周年を記念して製作された新曲「映日紅の花」を収録したCDが付属。なお「映日紅の花」はDVDの方にはビデオクリップが収録されている(ただし、パスワードを入力しないと見られない仕掛けが施されている)。 なお椎名林檎はインタビューで2007年2月21日にリリースした斎藤ネコと共同作品『平成風俗』は、このイベントの他にシングル「りんごのうた」収録の「la salle de bain」等、斎藤ネコによるオーケストラアレンジをいずれは一つの形にまとめたかったと語り、昨年2006年に写真家蜷川実花監督の映画『さくらん』の音楽をオファーされた事を受け、映画音楽を兼ねて製作されたオーケストラアレンジをまとめた作品である。 ちなみにタイトルの「賣笑」とは、かつて昔は「売春」の呼び名。椎名林檎本人は後のインタビューで「賣笑のイメージはマクドナルドのスマイル0円サービスみたいなイメージ」と語る。