KAMAKURA
2枚組のオリジナルアルバム。「国民待望の2枚組」という触れ込みで発売され、CMには明石家さんまが出演した。さんまがCMに起用された背景には桑田佳祐が「アミダばばあの唄」を提供したことが理由である。このCMのギャラがウォークマン1個だけだった、という逸話は有名であり、さんまの持ちネタの1つでもある。また、さんまはこの後サザン活動休止中の企画盤『バラッド2 '83〜'86』のCMにも出演した。本作のCMは2004年にDVD『ベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』に収録されている。 総レコーディング時間は1800時間を費やしたとも言われ、メンバーも「セミが鳴いているときにレコーディングしていると思って外に出たら雪が降っていた」という逸話も残っているほどであった。 このアルバムは、当初は1枚だけで7月頃の発売を予定していた。だが製作が間に合わず、8月リリース予定に延期されると同時に「2枚組のアルバムとして発売」という形になったが、その予定にも間に合わず9月リリースへと延期されたという話がある。 音楽的には、当時出始めたサンプラーやデジタル・シンセサイザー、ドラムマシンなどが多く使用され、サウンド的に『かなり実験的であった』と後のインタビューで語られている。また桑田によると、実際に灰皿を叩いた音なども使われているとのこと。 アルバムレコーディングの前後に関口と桑田の確執が起こっており、このため一時は本当に解散の危機に見舞われたため、もてる楽曲をすべて投入したのがこのアルバムでもあった。空中分解をしそうなバンドを辛うじて繋ぎ止めたのは、後に脱退する大森であった。 当時のサザン最大のセールスにもなった(再発、同発のCDなども含む)。ビクター発表によると150万組。この作品を最後にサザンはグループでの活動が休止となりソロ活動に移行する。ソロ活動については各メンバー、桑田佳祐、KUWATA BANDを参照。 オリコンCDチャートで初の週間売上1万枚(組)を記録した作品でもある。 発売後ステッカーや1986年度のカレンダーなどとセットになった『KAMAKURA-BOX』なる物も発売されている。