Flying Saucer 1947
2005年から行なってきた歌モノ・ライヴ「東京シャイネス」の発展形にして集大成ともいえる、ワールド・シャイネス(徳武弘文、高田漣、伊賀航、コシミハル、浜口茂外也)を従えての久々のヴォーカル・アルバム。細野晴臣にとって最も重要なルーツ・ミュージックである1940~50年代にかけてのアメリカのカントリー&ウェスタンにアプローチした作品で、自身の新旧オリジナル・ナンバーのほか、洋楽カヴァーや森高千里、坂本冬美への提供曲のリメイクなども収録されている。テクノやヒップホップといった80年代当時最先端だった音楽に刺激されて出来た「BODY SNATCHERS」や「SPORTS MEN」といった曲を見事なカントリー&ウェスタンに変身させてしまう手腕はサスガだし、ミッキー・カーチスやUAとのデュエットもゴキゲンな仕上がり。還暦を迎えた日本ポップ/ロック界の重鎮が楽しみながら作った快作といえよう。(木村ユタカ)