続?ふしぎ工房症候群 EPISODE 7「拝啓、御主人様」
話題のオリジナル朗読CDシリーズ続編第七弾! 人気急上昇の若手声優・柿原徹也の語りで、引きこもりの人生を送ってきた主人公が、ある日突然メイドと暮らすことになり、そして自立していく姿を描く──! <物語> 「御主人様、朝ですよ」 ある朝突然、僕の部屋にメイドがいた。 僕はとっさに自分の頬を思いきりつねった。これは決して夢なんかじゃない、現実だ。いっぺんに目の覚めた僕は、それでも別の意味で我が目を疑わずにはいられなかった。 確かに彼女はメイドだ。しかし──あまりにも自分の思い描いていた理想からかけ離れている姿に、僕は大きなショックを受けていた。 慌てて『ふしぎ工房』に駆け込んだ。「キ、キャンセルさせて下さい!」 すると少女はキャンセルはできないと言ったはず、と言いつつも、どうしてもと言うならばとキャンセル料を要求してきた。五百万円──と。 「こんなはずじゃ……」 僕は自分の人生を思い返した。いじめられっこ、不登校、ひきこもり……そんな僕の支えが、アニメやゲームでテレビモニターの向こうから「御主人様」と呼び掛けてくるメイドの存在だった。 キャンセルのできなかったメイドとの生活が始まった。僕はすべてを彼女に任せ、自堕落な生活に甘んじた。そしてある日、学校で、僕達二人を見かけたクラスメイトから「すごい趣味だよな?」と酷い嘲笑を受けた。 僕の溜まっていた不満は爆発し、ついに、言ってはならなかった言葉を口走ってしまう ──