LOVE SONGS
「磁気嵐」の伸びやかなヴォーカルを聴いていますと、シンガーとしての竹内まりやの個性的な魅力は、すでに20代半ばで確立されたものでした。 1980年のヒット曲「SEPTEMBER」や「不思議なピーチパイ」を聴きますと、それはもっと如実に解かります。アイドル歌手的な取り上げられかたをしていましたが、これらの楽曲でポップス・シンガーとしての評価が定まったのは間違いありません。 何曲かに関わっている松本隆の作詞が光りますし、林哲司、加藤和彦、杉真理というJ-POPを作り上げてきたアーティストの作曲も素晴らしいですが、それらを自分の歌にしている竹内まりやのセンスが光ります。 歌手に飽き足らず、作詞、作曲をし始めた頃です。本アルバムでも「恋の終わりに」「待っているわ」「little lullaby」の3曲はシンガー・ソング・ライターとしての萌芽と言えましょう。また、「さよならの夜明け」のように、竹内まりや作詞、山下達郎作曲という後のベスト・カップルを彷彿とする曲も収められています。 バックコーラスとしてepoや山下達郎のヴォーカルがとても魅力的な効果を上げています。 竹内まりやは、女性のシンガー・ソング・ライターとして確固たる地位を収め、近作『Denim』においてもヒットチャートの1位を得るように、人気は依然衰えません。嬉しい限りです。(By sasabon )