アラモルト
ヴォーカルの志村正彦を中心とする5人組バンドで、本作はインディー時代の2枚の作品から選曲したというメジャー・プレ・デビュー盤。一言でいえばはっぴいえんどの系譜に連なる文学的ロックなのだが、風景描写に長け日本語の響きを重視した歌詞、真摯で直情的なヴォーカル、ハモンド・オルガンを中心に夏の陽炎のような眩しい音像を生み出すバンド・サウンドと、すでに独自の個性が確立していると言っていい。メロディー・センスも非凡で、「ダンス2000」や「環状七号線」あたりは歌謡曲的な哀愁のメロディーが冴えている。単にエモーショナルというだけではない、多くの可能性を秘めたバンドだ。 聴覚と視覚を同時に刺激するライヴで人気の高い彼ら。メジャー第1弾となる本作は、インディーズ時代のミニ・アルバム2枚から7曲を選び、録音し直したもの。「茜色の夕日」は必聴だ。