もうなかないで
「もうなかないで」は、PCゲーム「ひぐらしのなく頃に」を初夏にプレイして、物凄く感銘を受け 同時に「悔やまれるべきはその音楽・・・!自分達ならこんな感じで表現する!」という なんとも挑戦的な所を発端として、生まれた企画です。 (当時の「解」より前のシリーズは、ゲーム中のBGMは全てフリーのものであり、 音の処理等を竜騎士07さんがやってたというのもあって、音割れ等していたのです。) WAVEが創る二次創作の根底には必ず「再現じゃなくて表現」というものがあり いつもその点で、かなり苦労してしまうんですが、 「もうなかないで」においては、全くそんなことなく、完成品のスタイル(全体のコンセプトや構成)が ぽーんと浮かんだのを、今でも覚えております。 (ちなみに一番苦労したのは「AVALON」です。) これは一重に、原作「ひぐらしのなく頃に」が持つ懐の広い世界観と、自由度の高さが あったからだなぁ、と。そんな世界を創り上げた竜騎士07さんには、ほんと脱帽です。 ただ同時に葛藤もあったりとかして、特に大きかったのが「完結していない」という所。 「真相が明かされてない状態での創作は・・・」と思ったのですが、 この企画を話した時に、Morrigan君や杉壱君より 「こたえ(解編)が出る前の今だからこそ、自由に自分たちが思う”ひぐらし”を 表現できるんじゃないか?」と言われて、ここでようやくストンと落ちました。 あとはもう、思うがままに、自分達がこうあって欲しい!と描く「ひぐらし」を たくさん詰め込んで、完成したのが「もうなかないで」です。 そういう不安があったことや、”自分達が思うままのものを”というような背景があった為、 コミケ当日までは告知とか全く行わず、会場でWAVEに訪れた人間・かつ、ひぐらしを知ってる方のみが 「おお、ひぐらしの二次創作だ」と喜んで貰えるように、 秘密裏に企画を進めてたんですが(所謂”突発モノ”にしたかった。なので制作スタッフも極端に少ない) ちょっとした行き違いで、(自サイトで告知する前に)情報が大々的に出ちゃって 困惑したのも、今となっては良い思い出です。 そこまで自由気ままにやった「もうなかないで」ですが、 蓋を開けてみれば物凄く好評で、今なお、「WAVE作品の中で1・2を争う完成度だ」と おっしゃる方もいらっしゃるぐらいで。(いやほんとはこんなこと言われてちゃ駄目なんですけど・・・。) (ただ、尊敬しているクリエイター様の個人blogで 「あの作品の内容、そして構成は本当に凄い。」と言われたのは本当に嬉しかったです) そんな好き勝手やったにも関わらず、思いもよらぬ好評の声を貰って 「ああ、自分達が思うがままに表現しても、受け入れて貰えるんだ!」と 以降の作品の表現に「思い切り」がつけられる、ターニングポイントになったのは、 言うまでもありません。 また、この作品が後々「かけらむすび」参加のきっかけになって ひぐらし解の作曲者daiさんや、歌い手の癒月さん、VOIのタカハシさんと出会う、などと WAVEにとって、これからも大事な大事な一作なのは間違いないです。 この作品を、こういった形で世に出せて、本当に良かったと思ってます。 文章・Rio(WAVE) ひぐらしのなく頃に祭 が世に出たのを記念して。