そっとおやすみ
1976年6月に発売されたちあきなおみのアルバム復刻盤。沢たまきの「ベットで煙草を吸わないで」やキングトーンズの「暗い港のブルース」など、ムーディーなカヴァー曲も収録。 この4月20日に揃って復刻されたオリジナルアルバム4点の中の一つが、この『そっとおやすみ』(1976.6.25)です。昭和30~40年代のムード歌謡の数々を、ちあきなおみが艶やかな甘い歌声で、それこそムードたっぷりに聴かせてくれます。 私事で恐縮ですが、数あるコロンビア時代のアルバムの中で、このアルバムが一番好きです。あれこれ物色して全曲を揃えましたが、それぞれの商品のマスタリング過程で生じた微妙な違いは如何ともしがたく、復刻をどれほど待ち望んだことか。今こうして手に取ることができて、本当に夢のようです。 沢たまきの「ベッドで煙草を吸わないで」よりも、ちあきなおみの甘く囁くこの歌が好きです。 岸洋子の「酔いしれて」よりも、音色豊かな、ちあきなおみの歌声が好きです。 ザ・キングトーンズの「暗い港のブルース」よりも、ちあきなおみのドラマチックな歌い方が好きです。 タンゴのリズムに乗った菅原洋一の「芽生えてそして」も魅力的でしたが、ラテンムードの色合は弱まったものの、情感迫る、ちあきなおみのこの歌の方が好きです。 ハーモニーが素敵なザ・ピーナッツの「愛のフィナーレ」よりも、ちあきなおみの力強い、誤魔化しのない歌い方が好きです。 要するに、このアルバムが大好きなのです。