Cavatina
村治佳織が20世紀のギター曲や映画音楽などを取り上げたこの『カヴァティーナ』も、そうしたCDの中の1枚。タイトル曲は映画『ディア・ハンター』で使われた美しいバラードで、ギターの巨匠ジョン・ウィリアムスの編曲を得て「ギター音楽」の仲間入りを果たした。単純ながら奥深く、意識の底に下りて行くようなメロディーが印象的だ。村治の演奏もこの曲の抒情性をよく表現している。 ポピュラー音楽からの編曲ものでは、ほかに映画『サウンド・オブ・ミュージック』からの「マイ・フェイヴァリット・シングズ」、映画『バグダッド・カフェ』からの「コーリング・ユー」があり、後者のハーモニクスを効果的に使ったアレンジ(ブルース・スターク、佐藤弘和)が聴きものだ。