面おもかげ影
先行シングルがあるでもなく、フルアルバムでもなく、このミニアルバムのための書き下ろしが収録された他では聴けない5曲入りの1枚。ASA-CHANGの絶妙にイナタいドラムが粋なタイトルチューン「面影」は、真似できない70s日本語ポップスのニュアンス。吐息さえもタダじゃない! のは、彼女のヴォーカリゼーションの醍醐味だが、この曲ではどうやら“忘れたくないのに、忘れてしまう”もしくはその逆の思いも含んだ吐息だけに切なさも倍増だろう。 全編で聴けるサウンド・プロダクトが昭和40年代の歌謡ショウのごときアンサンブルなのも、彼女ならではの世界だ。パーソナルな表現が身上のアーティストだが、このミニは本当に大事にしたい小品といった味わいをかもし出している。