私・的・空・間
当時のセールスは、オリコン最高位31位、リード・シングル2枚も各々32位、37位と 決して派手なヒットではないものの、ファンの間では一、二を争う高い人気のアルバム。 当時のAORサウンドを取り入れた「素敵な気持ち」や、シャバダバ歌謡の「真珠のピリオド」 など、シングルは一歩引いた視点でじわじわ勝負しているが、アルバム曲は「テンペスト」 「わたしに戻るとき」のようなアゲアゲな歌唱や、「生きがい」「日暮れのマティーニ」のような 十八番系歌い上げなど、これぞ“岩崎宏美”と言わしめんばかりのキャッチーな作品揃い。 オリジナルでは3年ぶりとなる筒美京平や、ブレイク前の玉置浩二が参加していることでも ポイントが高い。ボーナスのB面曲「WAITING」(こちらも「瑠璃色の地球」「少年時代」で 注目される前の平井夏美氏)、どう考えてもA面狙いのブラスが派手な「夜明けの天使たち」、 火サス主題歌「家路」の両バージョンなどが収録され、とってもお買い得。ライナーノーツでも、 多くの曲について触れられており、ご本人のこのアルバムに対する熱量が伝わってくる。