へんじがない、ただのしつれんのようだ。
まるでタイムマシーンに乗って1970年代のパンク・ロックから現在の日本の音楽シーンまでの時間旅行を体験できるかのようなアルバム。 一人の女性の恋愛の始まりから終わりまでを語ったアルバムであり、桃井はるこ本人が今まで聴いて育ってきた音楽の履歴書総集編のようでもある。 曲によって60年代のサイケデリック風イントロがあったり、今やネットでの一大ムーブメントともいえる某VOCALOID風なボーカルありと、 楽曲やボーカル表現の多才さに聴き手はただ圧倒される。 桃井はるこはアルバムをLPレコードのようにA面・B面と分けて作る傾向があるが、今回もその傾向は顕著に現れている。 A面にあたる6曲目までは恋愛における明の部分を表現しているが、B面の始まりにあたる7曲目は一転して暗の部分を激しく歌いあげる。 8曲目から10曲目までは桃井本人が作詞、あるいは作曲のどちらか一方にしか関わっていないが、それでもしっかりと桃井はるこの曲に仕上がっている。 7曲目で失意の底に自分の中に存在する光を見つけ、その後の3曲で失恋後の悲しみを乗り越え生きていこうという人たちへの応援歌になっている。 11曲目は聴き手によって様々な解釈が可能な1曲。 本人も自信作と宣言しているだけあって、曲順や構成を巧みに練ったこのアルバムは見事に桃井はるこ一番の名盤といえる作品に仕上がっている。 (By 青い超越☆UP DATE "アンチ会系ハルッペヽ(´ー`)ノ組" (北海道ごくあ区))