ANRI AGAIN~ベスト・オブ・マイセルフ
待ちに待った杏里のニューアルバム。彼女はこれまで2007年、2008年とJ-Popのカバーアルバムを発表してきましたが、今回は“セルフ・カバー・ベスト”と銘打った彼女自身の過去の作品からセレクトしたニューテイク盤で、『16th Summer Breeze』や『OPUS 21』、『R134 OCEAN DeLIGHTS』などの延長線上に位置するものです。 一聴してとてもうれしく思ったのは、彼女の伸びと張りのある美しい歌声はまだまだ健在、それに歌唱力の高さもさすがに杏里ならではいうことで、デビューからずっと彼女のファンでいてホントによかったと思います。 収録されている曲は、彼女の長いファンならすべておなじみのものばかりで、アレンジの工夫に苦労した感じのものもありますが、すべて“いま”の彼女の貴重な表現として新鮮に感じます。1曲目の“悲しみがとまらない”ではオリジナルのイメージを尊重した感じですが、2曲目からはがらりと感じが変わり、特に“Summer Candles”、“Fly By Day”、“Affection”それに最後の“砂浜”などでは、余韻を残して歌い上げる感じに、近年の彼女の歌唱法に通じる“大人の恋”の円熟した表現が現れているようです。 ただ、やはり全曲を通じて、アレンジにはもうちょっと工夫がほしいところで、その分、残念ですがひとつ減点です。 相変わらずジャケット写真の彼女の美しさもそのままですね。(By ウォッチャー )