Twin Memories
彼女ら本来の資質からすれば、Winkというのは大人気アイドルではなく、一部のマニアを熱狂させるちょっと変なアイドル、というのがあるべき姿だったように思う。しかし平成元年、Winkは狂い咲いた。その年末に出たこのアルバムは、まさに狂い咲きの1年を総括している。 REOスピードワゴンやジョン・レノン(!)のカヴァー。大ヒットしそうなタイアップ曲をあえてアルバムのみの収録にし、他方ヒット曲はぐちゃぐちゃなリミックスで収録。何でもできるという自信と、何をやったら良いのかという不安との交錯。しかしこのアンバランスな構成が、彼女らの声の心地よさによって、見事に一つのトーンにまとまる。 この後Winkは長い下り坂を、しかし息長く歩んで行く。その歩みを支えたのが彼女らの声質だったことを痛感させられるアルバムだ。 (By 拳王 (北海道) )