nuケミカルレトリック
レトロ+ロック=レトロック 哀愁の「切なさ爆弾」、ついにメジャー投下! 2005年9月7日、いよいよメリーがアルバム『nuケミカルレトリック』を引っ提げてメジャー・デビューを飾る。いきなり全11曲収録の、しかもインディーズ時代の焼き直しなどではなく、純然たる新曲ばかりで構成された正真正銘の“ニュー”アルバムである。潔い、と思った。と同時に、実にメリーらしいニュー・ステージへの宣戦布告だな、とも思った。 果たして、その“メリーらしさ”とは一体何なのか…? それはズバリ、類稀なる楽曲の良質さに他ならない。スタイリッシュ且つショッキングなヴィジュアル、時にはステージ・ダイヴやモッシュまで巻き起こるアグレッシヴなライヴ・パフォーマンス、意外にもファニーな一面も垣間見せる憎めないヒューマニティなど、彼らの魅力の断片は幾つも挙げられるが、その本質は間違いなく“楽曲の良質さ”へと帰着する。 時代を意識した何かの模倣や、画一的なヘヴィネスが溢れ返る昨今のミュージック・シーンにおいて、メリーが生み出す音楽=レトロックの普遍性は、実に新鮮に僕たちの耳に響き、飛び込んでくる。その“いい曲”を生み出すことへの徹底的なこだわりこそ、彼らがインディーズ時代に培ってきた財産であり、他の誰とも異なる唯一無二の存在理由であり、メジャー・レーベルへと移籍した最大の要因だと僕は確信している。 メジャー・デビュー・アルバム『nuケミカルレトリック』には、そんなメリーの真骨頂といえる哀愁の「切なさ爆弾」が満載されている。しかも、格段にスケール・アップした怒濤のサウンド・プロダクションを伴って。衝撃のデジタル・アプローチからメリー節へと絶妙に展開していく彼らお得意のオープニング・インストゥルメンタル・ナンバー「デジーノート」を皮切りに、一撃必殺のキラー・チューン「首吊りロンド」、キャッチーなコーラスをフィーチャーした暴走サーフ・ロック「迷彩ノ紳士」、激しい切なさが胸をギュッと締めつける「溺愛の水槽」、ガラ(Vo)独特の世界観が見事にブルーズとして結実した「薔薇と片隅のブルース」、ヘッド・バンギング必至のファスト・チューン「Shambara」、ロカビリーちっくなロケンロー「ニセモノ天国」から珠玉のバラード「リフレイン~土曜日の涙~」へと一気にブッ飛ぶ驚異の振り幅、そしてライヴでの爆発的な盛り上がりが目に浮かぶ新機軸のハッピー・チューン「空っぽな歌」など、またしても捨て曲なしの傑作アルバムを作り上げたメリー。 “今こそ日本に革命を”……愛すべき羊たちの闘争は、今始まったばかりだ--。