covers
作編曲、歌、演奏からミックス、エンジニアまでこなすマルチ・アーティストのbiceですが、 ここでは大部分のディレクションを他人に委ねており、気の会う仲間とのアコースティック・セッションを楽しむ様子がとても爽やか。 中でKorgisの名曲4. のみが彼女本来の宅録スタイルで、この軽快なアルバムに重みを加えています。 6. 以外は男性ボーカル曲がセレクトされ、biceが歌うことで一捻りが加わっているのも面白いところ。 「Spotty Syrup」にも収録の2. やELOのカヴァー6. はbiceの自作曲かと錯覚するほど彼女の世界に染まっています。 ヒット狙いでただ再録しただけのように面白みがないか、奇をてらう事だけが目的化した 安易なカヴァーが蔓延する傾向に、期せずして一石を投じる作品になったと思います。