甘い夜の薫り
「今宵あなたにお届けするのは 1人の彷徨う男の物語/スパイスを少々 尾ひれを少々」(「甘い夜~intro」)という“語り”で提示されているように、椎名純平の2ndアルバムには、男と女の欲望がからみ合う夜にぴったりのスィート&ビターな楽曲がずらりとラインナップされている。オーセンティックなジャズ、ソウル、R&Bを「日本語の歌もの」に変換する才能に加え、ストーリー・テラーとしてのセンスをたっぷりと感じさせてくれる本作は、彼がより幅広いリスナーを獲得する大きな契機となるだろう。(森 朋之) セカンド・アルバム。“一人の彷徨える男の一夜”をコンセプトにした、ストーリー性のある内容になっている。SILVA、篠原涼子とのデュエット曲もあり、宵の口から夜更けになり、夜明けに至るという都会の一夜の映像が浮かぶようだ。