オーシャン・ロード・トゥー・チャイナ
遂に姜建華の体当たりディスクが出た! 今までのリサイタルなどで評判の良かったプッチーニ作品のほか、日本人にも縁の深い「何日君再来」や「夜来香・蘇州夜曲」、西洋人の東洋趣味である「中国のギャロップ」(J・シュトラウス作曲)、「中国の太鼓」(クライスラー作曲)から、とうとうマーラーの「大地の歌」までこなしたのである!! 今回は、加古隆の「絃歌幻想」が何といってもすばらしい。この1曲だけで、映画のサントラ主題曲くらいのスケールだ。このディスクのために書き下ろされた曲で、もちろん姜建華の二胡の音色に合わせて書かれた絶品である。しっとりと、そして力強く訴えてくるメロディは、もうここでは書き表すことは不可能だ。ディスクの1曲目なのだが、あまりのインパクトに絶句してしまった。 紅いワンピースの若手中国人演奏家を12人集めても、この境地には及ぶまい。