OCHO ZERO CINCO MIX
THIS IS THE FIRST OFFICIAL MIX CD RELEASED BY FAMOUS CHICANO LABLE. ALL MIX BY DJ KAZZ WHO IS THE GREATEST DJ WITH LOW RIDER CAR SHOW IN JAPAN. DON`T MISS IT. LIMITED EDITION ONLY. “Ocho Zero Cinco”または”Underworld805”の名はチカーノ・ラップ・ファンには特別な意味を持つモノに違いない。”Low Profil”や”Hi-Power”といったストレートなまでにこの分野の”ロウ”な魅力にこだわるレーベル/プロダクション同様、805(オーチョ・ゼロ・シンコ、と発音する。ちなみに”Underworld805”は旧名)は徹頭徹尾自分達のコミュニティーに向けたヒップホップを発信し続けているのだが、だからこそチカーノ好きは反応せざるを得ないのだ。CALI LIFE STYLEやTRIPLE-CことCENTRAL COAST CLIQUEといったキャリア10年以上のヴェテランたち(まさにアンダーグランド・バリオ・レジェンド!)が重要作を残していたり、フィメール・シンガー=SARA.Sやトーク・ボックスの名手=BOXXのアルバムがあったり、と全体を俯瞰してみると幅広くはあるが、基本はクルージングもしくはホッピング映えするベースの太いファンクと、哀愁系のメロウ・サウンドの両極端な2本立てであり、一聴して、”フッド感”が伝わってくる感じ、、、それ以上でも以下でもないところが支持を集めるポイントと言えるだろう。スペイン語の生々しく、官能的な響きと、英語のオールディーズな語感が混在する同レーベルの音源は”そこ”に根差しているがゆえにメジャー等のビッグな配給網とは無縁かと思われていた。しかしながら、コアなメキシカン・アーティストたちが日本でショウを行い、確実に”チカーノ・ラップ”をローライダー・カルチャー以外のところでも広めている、という事実を知り、日本の市場に興味を持った、という。かくして”UNDER WORLD 805 JAPAN”はここに誕生することとなった。日本(東京)とUS(LA)を激しく往来し、CAPONE-E、MR.CRIMINAL、MISTER D、TRIPLE Cらとも交遊を深めたスーパーバイヤー=KEVIN T.ITOが立ち上げたそのニュー・プロジェクトの第一弾リリースがこの『805 Mix』である。その内容は、”Underworld 805”、”Ocho Zero Cinco”がこの10年もの間にリリースしてきたクラシックの数々を独自の視点でコンパイル及びミックスしたモノ。手掛けるは、PSW所属、の茨城エリアを代表するギャングスタ・ラップ/チカーノ・ラップ専門DJ=DJ KAZZ。90年代中盤より、DJ活動を開始し独自のスクラッチ・スタイルとセレクションを突き詰めながら、クラブから「LOW RIDER CAR SHOW JAPAN TOUR」のホッピング・エリア・ホストDJまで、と様々な”現場”と”ミックス・テープ”で気を吐いてきた彼は、(2003年に解散した)双龍のメンバーだったこともあり、近年ではGDX、Mr.OZ、PHOBIA OF THUG、Ⅱ-Jらにトラックを提供してきた”ウエストコースト・ルーツのトラックメイカー”という顔も持っている。普段から「原曲の良さをどう生かして一つの大きな流れを作れるか」ということを肝に銘じて営業しているという彼だけに、本作も”職人芸”が見事に発揮された最後まで通して聴けるブツに仕上がっているのは言うまでもないだろう。ハードな曲はよりハードに、スウィートな曲はよりスウィートに。そして、そのアーティストの生き様が滲み出たバリオ(=ゲットー)の世界観を、ラップの格好良さを立てつつもいかにストレートに伝えるか?そうした部分に腐心したDJ KAZZらしいプレイ・スタイルが貫かれたこの”Goodies Only”なミックスCDがビギナーの良き道標に、そしてウルサ型のマニアたちにとっても”ついつい流したくなる一枚”になることを祈る。