Wolf Song
シンプルなアコースティックギターのハーモニーが心地よい。 ボサノヴァ・ブラジル音楽をバックグラウンドに活躍しているギタリスト 伊藤ゴローのデビューアルバム。 さざ波のように繰り返されるギターのフレーズは、まさにアコースティック・ミニマルミュージック。 これはボサノヴァの現在進行形だ。 ギターの音。 フレーズが繰り返されるということは、記憶への旅。 歌がないといういうことは、言葉以上に、すべてを雄弁に語るということ。 みずみずしい音。不思議なコラージュ音。手触りの気持ちのよい空間。 初めてのアーティスト/ moose hill は初夏のさわやかな風のように、ぼくの身体を通り過ぎた。 聴いてもすぐに、忘れてしまう。だから、もう一度、ぼくは聴こう。 ぼくの身体を、びゅんと通り過ぎる。もう一度聴こう。ぼくは聴こう。 こころをきれいにしてくれた。ありがとう。 これは音楽なのか。ひとつの経験。良い音楽をありがとう。 鈴木惣一朗(ワールドスタンダード) この作品集を初めて聴いたのが、五月晴れのとても気持ちの良い日でした。 それから数日、これを書いている今日は、静かに雨が降り続いています。天気や空気、時間のうつろいに、自然とフィットする楽曲。 かわいた日にはちょっとした潤いを、湿り気のある日には心地よい風になってくれるような、そんな音楽。 moose hill の指が弾くギターの弦が空気を揺らし、その振動が音となる。 そうして生まれたいくつもの音の波が、彼にしかできない編み方で僕の耳まで届く。 シンプルに、しかし丹念に仕上げられた音のつづれ織りが、感覚を柔らかに包み込む。 僕はもう何回、このアルバムを聴いたことでしょう。 いつも自分のそばで鳴っていてほしい、いつまでも終わってほしくない音楽って、そうそう出会えるものではありません。 飯島直樹(ZERO / ANGEL'S EGG ) 静かに、無意識のうちに紡がれるコードの連なりは美しい そしてそれが自然の産物であれば、時を越えてしまうものになることもある このアルバムを聴いていると色んなこと思い出すな~ でも聴いたことない。少なくともここ日本で記録されたものの中では PullmanやBill Wellsのレコードのように多くを語られなくても 多くの人たちにとって特別なものになると思う SAIDERA RECORD 富田和樹