Don’t Look Back
「ウーマンドリーム」のサントラを聴き、びびってしまった私。また、T-BOLANの「悲しみが痛いよ」の作者としても知っていたので、「こんな詞を書く感性は何だ!?」とずっと思っていたので、ソロ作品を購入しました。 …改めて言うけれど、この人の才能のスケールは一体どうやって培われたものなんだ!? もちろん楽曲のすべてを詞・曲共に彼女自身が手がけているけれど、曲ひとつひとつの世界を表現する詞の書き方には、天才的というしかない。一見しただけでは普遍的な印象を受けるが、時折ぼん!と出てくる斬新な単語。それによって、聴く者は、まるで突然岩を投げられたような衝撃を受けてしまう。ただのロック色強い単語の羅列ではなく、きちんと整理された感情の中に、情念的に潜む「黒」の部分をすうっと入れ込む。 また、作曲もプロフェッショナルである。詞の世界を最大に引き立てる熱をはらんだスケールの大きなメロディー。しかしキャッチーで、全く聴き手を退屈にさせることがない。 歌唱はロックに傾いているが、どことなく女らしさを感じさせる繊細な部分もあり、どういった世界にも入り込んでいける力を持っている。 2「瓦礫の愛」はそういった要素が凝縮されており、聴き応え充分。この一曲だけで彼女の凄さを理解できるほどだと思う。8「Franchise」は、楽曲の出来としては演歌的な要素も含んでおり、つくづくそのソングライティングの才には唸らされてしまう。 真に、マルチな才能を持った人だ。今も、多数の歌手に曲を書きソングライターとして活躍しているが、この人の感性では、例えば本を書いたり、画家になったりとあらゆる芸術分野で充分にその才能を発揮できるほどのものだと感じさせられる。感服の一言。 (By ぴゆまま )