moodmakers' mood
スーツよりアロハな音。とはいえそこはスカパラ。バカラックの(2)やユーミンの(5)、ジョージの(7)といった選曲でもわかるように“都会でフッと脳裏をよぎる楽園”をイメージさせる洗練されたダブ/レゲエ。好きな曲を裏打ちで演るときのニヤニヤ感がイイ。 これはこの夏、当店のBGMで決まりですね。とかなんとか、ついつい書店員としての顔をのぞかせてしまう自分が少し好き。それくらいいいんですよぉ、これ。東京スカパラダイスオーケストラのベーシスト、川上つよしをバンマスに、LITTLE TEMPOの大石幸司とHAKASE、ロッキング・タイムの山本貴志、スカパラのNARGOらによって構成されるユニットの2作目。「ジャマイカン・ミュージックであるロック・ステディを基調としたムーディーなインストを演奏するフレキシブルなユニット」(川上つよし)として出発しながらも、本作ではそこから作風をさらに広げつつ、ゲストにTicaの武田カオリらを迎えたヴォーカル曲も3曲収録している。とくに荒井由実時代のユーミンの名曲を古内東子がファルセットで歌い上げる(5)は、ムード音楽の定義を柔軟に拡大してみせた艶やかな仕上がりだ。ジョージ・ハリスン追悼の意を込め彼の大ファンという高橋幸宏をフューチャーした(12)もクライマックスのひとつ。