cliche (Mastered by Bernie Grundman)
山下達郎との出会いによりプロ活動に入った大貫妙子は,あの幻のグループ{シュガー・ベイブ}に参加,本格的デビューを果たす。メッセージ色の濃いフォークとは異なり,彼らは,はっぴいえんど,ティンパンアレー同様日本語によるロック,ポップスを模索していた。グループ解散後いつからだろうか,気がついた時には大貫妙子は,ヨーロピアン・ムードが似合うシンガー・ソングライターに変身していた。かすかにカーテンを揺らす風のような彼女の歌声は,大げさなサウンドが多い世の中でかえって心に強く残る。「ピーターラビットとわたし」他,彼女の曲はメルヘン風シャンソンといった趣きがあり,他の追従を許さない独自の世界を形成する。