angelica-竹久夢二
その声が奏でる、切なくも優しい詩の世界―― SEやBGMも一切無し。聴こえてくるのは音声のみ―― 様々な想いや感情を抱えた名も無きキャラクターが、竹久夢二の遺した美しい詩を詠いあげます。 【モノローグ】 指先から零れ落ちていく感情 それは一枚の紙切れのようにはらはらと それはあてのない蝶のようにひらひらと いくつもの仮面を被り いくつもの人生を歩む そうして私は己を形成した 一切の疑心も抱かずに 一瞬の快楽 一瞬の饗宴 それがすべてだった―― そんなぬるま湯に浸かりきった私に あなたは教えてくれた この気持ちを ああ この感をなんと呼ぼう なにに喩えよう 失ったはずの欠片が 再び私の中に構築されていく さあ行こう 君の待つ光溢れるあのステージへ――