My Life
1998年発表のデビュー作『For All We Know』から数えて通算9枚目のアルバム。前2作がライヴだったのに対し、これはスタジオ録音が中心。ローリング・ストーンズのから始まって、角川映画『人間の証明』の主題歌、ビートルズの、ほかにボズ・スキャッグスやジョニ・ミッチェルらのヒット曲も取り上げていて、とにかく選曲が多彩。ピアノの弾き語りでじっくりと歌うスタイルが中心だ。 たとえどんな曲を歌っても、すべて自身の強烈なカラーで塗り上げてしまうところは、いかにもこの人らしい。懐かしいニール・セダカのオールディーズはブルース・アレンジで歌っていて、これにはちょっと驚かされる。メンバー的には常連の宮野弘紀や森下滋に加え、ディープ・ルンバのオラシオ・エルネグロ・エルナンデスとロビー・アミーンの参加が新鮮。ボーナスCDの2枚目は2001年12月、赤坂ブリッツにおけるライヴ3曲を収録したもの。こちらはいかにもライヴらしいノリノリのお祭りムードで、大阪弁丸出しのトークも楽しめる。(市川正二) 2年ぶりのスタジオ録音盤で、「イエスタデイ」「慕情」などおなじみの曲を自身の世界に引き入れ、綾戸智絵の歌として再生させている。昨年末のライヴ録音3曲を収めたボーナスCD付き。