INDIGO
メンフィスでトラックダウンを行いThe White Stripesらを手がけるJohn Hampton氏をエンジニアに迎えた音たち(シングルは2、5、10)。前作のキャッチさより音たちにストイックな質感を覚えます。象徴的なのはコンテンポラリーな音楽観から放たれる1のアグレッシブでソリッドなロック。複雑に綺麗に調和してゆく音は聴き所ですね。また攻める中にも竹善氏らしい温かみもやはりあり、シンプルな中に表情が幾重に編みこまれた味わい深さがありました。一音一音が左脳にも右脳にも訴えるようです。 10年ぶりに小田氏とのPLUSONE名義である5では、BVですが大橋卓弥も参加。6ではSOSの「sha la la」を作曲したFACE 2 FAKEも携わり、10では岡野宏典氏との共作で彼の美声も。また1など07年4月にお亡くなりになられたブッチャーさん(浅野祥之氏)最後のしっかりしたギターを耳に出来るアルバムでもあります。 「青は藍より出でて藍より青し」といいますが、藍から青を取るには難しい工程・努力を経て初めて、採れた染料の青さが原料の藍よりも濃く鮮やかになるそうです。つまり“藍”は進歩のための努力や謙虚さが下地にある色だと思います。今作も竹善氏が初心を忘れず音楽道へ邁進するスピリット、また技術や工程へのプライドが表れているようです。或いはジーンズのインディゴのように体に馴染み風合いのある音楽に、という気もします。