Don Quijote
「明日は晴れる必ず 俺には分かる」(「DON QUIJOTE」)。なんとシンプルな美しさだろうか。文語調から口語へ、しかし散文に陥ることなく飽くまで詩的な吉野の歌詞の新鮮さ。まるで発電所のごとき二宮と田森のリズム隊は、そのパワーこそ不変ながらより繊細に大胆に、一瞬の間合いで技を決めてくる。 久々にレコーディングの場をアメリカから日本に戻し、小谷美紗子のピアノ参加が実現した「矯正視力0.六」。このアルバムバージョンでは、歌の持つ力を再認識した。3ピースにこだわらず、ピアノが加わることによってこのバンドのある種の神聖さや、曲が持つ「朝」のイメージが増幅された効果は大きい。本気の人は何度でも新生するものだと感じ入る作品。(石角友香) 内容(「CDジャーナル」データベースより) マキシ「矯正視力○.六」に続いて1年半ぶりのアルバムが登場。感情をゆさぶる日本語ロックによるエモーショナルなサウンドが切ない。パンク、ロックなどのカテゴリーを取り払った傑作だ。