島爺《ひよこと天秤》[MP3_LRC]

[00:00.00]90听音乐网 www.90T8.com  [00:00.68]ひよこと天秤 - 島爺 [00:26.58]その眼が見据える晩年 [00:28.18]こまっしゃくれた鳴き声など [00:29.92]とうの昔に聴き飽きた [00:32.38]ずるずる四の足音 [00:33.75]歩む方向すら知らぬままに [00:35.34]ふらふら千鳥足 [00:36.79]小瑠璃が笑う [00:38.05]道はか細い平均台 [00:39.46]右も左も宵の光 [00:40.78]どちらに落ちても奈落行き [00:43.50]辿り着いた濁世で [00:44.99]手招きをする曖昧宿 [00:46.34]あんよが上手は床上手 [00:51.52]虚構の嵩百貫の屑 [00:55.18]「また始まったよ」 [00:57.14]繰り返す東雲の空 [01:01.33]そこかしこから雛型の産声 [01:05.38]荒れ果てた轍を [01:07.60]通るとも知らずに [01:09.40]収まりつかぬ不相応の翼 [01:12.18]くちばしから垂れる墨汁は [01:14.60]降り出す雨に滲み広がる [01:17.10]俄作りの鳥小屋じゃ [01:18.83]雨宿りもできやしない [01:20.14]泥水すすりいざ [01:22.87]一匁の分銅に脅かされ [01:25.66]命の時間が迫る [01:28.33]急げ渡れ遠浅の海 [01:29.77]遠雷響く彼方まで [01:31.15]墨で塗り潰したその道に [01:33.89]差し込むは藍白の亀裂 [01:36.72]拍手に飽きもせずに [01:38.32]群れを成すは池の鯉 [01:39.16]「見ちゃいけない」 [01:40.26]無い親指隠して [01:42.30]通夜を飛び越えろ [01:56.10]障子破りお迎え [01:57.42]錆びた掛け金夢の跡 [01:59.04]早うこっちにいらっしゃいな [02:01.77]四畳半の鳥かご [02:03.06]謳うは有象無象の糞 [02:04.54]値札も反古して [02:05.88]香具師は薄笑い [02:07.18]底打ちの誉れを [02:08.45]羽繕いしながら鶴首して [02:10.22]千切って毟って丸裸 [02:12.47]尼の匙を食い尽くし [02:14.04]そらあっちへこっちへ糧を探し [02:15.51]見上げりゃ屠殺場 [02:17.01]後の祭り [02:20.56]眩い暈水仙の園 [02:24.16]「おやどこへ行くの?」 [02:26.30]朝露に濡れる山苔に [02:30.47]足を滑らせ見失う陽の向き [02:34.42]不遜の羽ばたきは [02:36.10]いつかの落日 [02:38.65]もろい橋に楔は打たれ [02:41.39]元より無い退路は断たれた [02:43.65]硝子を噛み砕き [02:45.51]小石を飲み込み [02:46.26]報われぬ天秤に [02:47.98]飛び乗っては弾かれる [02:49.27]さえずる事も無く [02:51.92]一匁の御神を崇め続け [02:54.78]祈りの時間を憂う [02:57.27]急げ集え [02:57.90]八百長の舞台鐘よ響け [02:59.79]有明の空は蜃気楼の楽園 [03:03.02]救いの器で水浴び [03:05.90]墓守は公平な不公平に辟易 [03:09.34]赦しを乞う御明かし消えた [03:43.25]成れぬ弧を描く燕に [03:46.16]成れぬけたたましい烏に [03:48.94]成れぬ愛歌う雲雀に [03:51.74]成れぬ雛鳥にさえも [03:53.88]一匁の分銅に押し潰され [03:57.04]命の時間を看取る [03:59.64]嬲り殺す鳥目の世界 [04:01.18]足掻き叫べど [04:02.55]菊戴の羽根を [04:04.01]揺らす事も出来ず [04:05.43]雀の涙の傾きを [04:08.23]吹聴してはまた灰を散らして [04:10.53]押し寄せる鶸色の漣に [04:13.95]文句も言えずに [04:16.51]止まぬ猟銃 [04:17.19]白黒つけろ [04:17.81]腐る果実齧り付き [04:19.45]忌々しい屑鳥を撃て [04:22.04]命の通わぬ窓に群れ [04:24.82]振り払った蚕が [04:26.05]また呻きをあげる前に [04:27.63]掌で蠢くその卵と共に [04:31.15]死に晒せ