[00:00.00]90听音乐网 www.90T8.com [00:00.06]杉田智和 - 人間失格 [00:08.86]人间失格 [00:11.06]太宰治 [00:14.83]人間 失格 [00:18.97]もはや 自分は 完全に [00:22.40]人间で无くなりました [00:26.42]ここへ来たのは [00:27.79]初夏の顷で [00:30.07]鉄の格子の窗から [00:32.37]病院の庭の小さい池に [00:35.72]红い睡莲の花が咲いているの [00:37.72]が见えましたが [00:40.55]それから三つき経ち [00:43.89]庭にコスモスが咲きはじめ [00:46.89]思いがけなく [00:48.69]故郷の长兄が [00:50.69]ヒラメを连れて [00:52.29]自分を引き取りにやって来て [00:55.71]父が先月末に胃溃疡 [00:59.11]でなくなったこと [01:01.86]自分たちはもう [01:04.01]お前の过去は问わぬ [01:07.11]生活の心配もかけないつもり [01:10.36]何もしなくていい [01:12.76]その代り [01:14.49]いろいろ未练もあるだろうが [01:16.81]すぐに东京から离れて [01:19.81]田舎で疗养生活を [01:21.20]はじめてくれ [01:23.77]お前が东京でしでか [01:25.29]した事の后仕末は [01:27.77]だいたい [01:29.02]渋田がやってくれた筈だから [01:31.62]それは気にしないでいい [01:34.28]と れいの生真面目な [01:36.38]紧张したような [01:37.38]口调で言うのでした [01:41.70]故郷の山河が [01:43.68]眼前に见えるような [01:45.03]気がして来て [01:47.03]自分は [01:47.69]幽かに [01:48.99]うなずきました [01:52.29]まさに 癈人 [01:56.24]父が死んだ事を知ってから [01:59.20]自分は [02:00.27]いよいよ [02:01.23]腑抜けたようになりました [02:04.67]父が [02:05.87]もう いない [02:09.69]自分の胸中から [02:12.16]一刻も离れなかった [02:14.87]あの懐しく [02:16.17]おそろしい存在が [02:18.42]もういない [02:21.80]自分の苦悩の壶が [02:23.60]からっぽになったような [02:25.19]気がしました [02:28.72]自分の苦悩の壶が [02:30.82]やけに重かったのも [02:33.63]あの [02:34.32]父のせいだったのでは [02:35.82]なかろうかとさえ思われました [02:40.93]まるで [02:42.03]张合いが抜けました [02:45.80]苦悩する能力をさえ [02:48.01]失いました [02:51.61]いまは自分には [02:54.60]幸福も不幸もありません [02:58.06]ただ [02:59.51]一さいは过ぎて行きます [03:04.35]自分がいままで [03:06.00]阿鼻叫唤で生きて来た [03:08.60]所谓「人间」の世界に于いて [03:12.96]たった一つ [03:15.30]真理らしく思われたのは [03:17.76]それだけでした [03:20.21]ただ [03:21.46]一さいは过ぎて行きます [03:26.01]自分今年 [03:28.56]二十七になります [03:32.77]白髪がめっきり [03:33.71]ふえたので [03:35.51]たいていの人から [03:37.31]四十以上に见られます
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[00:00.00]90听音乐网 www.90T8.com[00:00.06]杉田智和 - 人間失格
[00:08.86]人间失格
[00:11.06]太宰治
[00:14.83]人間 失格
[00:18.97]もはや 自分は 完全に
[00:22.40]人间で无くなりました
[00:26.42]ここへ来たのは
[00:27.79]初夏の顷で
[00:30.07]鉄の格子の窗から
[00:32.37]病院の庭の小さい池に
[00:35.72]红い睡莲の花が咲いているの
[00:37.72]が见えましたが
[00:40.55]それから三つき経ち
[00:43.89]庭にコスモスが咲きはじめ
[00:46.89]思いがけなく
[00:48.69]故郷の长兄が
[00:50.69]ヒラメを连れて
[00:52.29]自分を引き取りにやって来て
[00:55.71]父が先月末に胃溃疡
[00:59.11]でなくなったこと
[01:01.86]自分たちはもう
[01:04.01]お前の过去は问わぬ
[01:07.11]生活の心配もかけないつもり
[01:10.36]何もしなくていい
[01:12.76]その代り
[01:14.49]いろいろ未练もあるだろうが
[01:16.81]すぐに东京から离れて
[01:19.81]田舎で疗养生活を
[01:21.20]はじめてくれ
[01:23.77]お前が东京でしでか
[01:25.29]した事の后仕末は
[01:27.77]だいたい
[01:29.02]渋田がやってくれた筈だから
[01:31.62]それは気にしないでいい
[01:34.28]と れいの生真面目な
[01:36.38]紧张したような
[01:37.38]口调で言うのでした
[01:41.70]故郷の山河が
[01:43.68]眼前に见えるような
[01:45.03]気がして来て
[01:47.03]自分は
[01:47.69]幽かに
[01:48.99]うなずきました
[01:52.29]まさに 癈人
[01:56.24]父が死んだ事を知ってから
[01:59.20]自分は
[02:00.27]いよいよ
[02:01.23]腑抜けたようになりました
[02:04.67]父が
[02:05.87]もう いない
[02:09.69]自分の胸中から
[02:12.16]一刻も离れなかった
[02:14.87]あの懐しく
[02:16.17]おそろしい存在が
[02:18.42]もういない
[02:21.80]自分の苦悩の壶が
[02:23.60]からっぽになったような
[02:25.19]気がしました
[02:28.72]自分の苦悩の壶が
[02:30.82]やけに重かったのも
[02:33.63]あの
[02:34.32]父のせいだったのでは
[02:35.82]なかろうかとさえ思われました
[02:40.93]まるで
[02:42.03]张合いが抜けました
[02:45.80]苦悩する能力をさえ
[02:48.01]失いました
[02:51.61]いまは自分には
[02:54.60]幸福も不幸もありません
[02:58.06]ただ
[02:59.51]一さいは过ぎて行きます
[03:04.35]自分がいままで
[03:06.00]阿鼻叫唤で生きて来た
[03:08.60]所谓「人间」の世界に于いて
[03:12.96]たった一つ
[03:15.30]真理らしく思われたのは
[03:17.76]それだけでした
[03:20.21]ただ
[03:21.46]一さいは过ぎて行きます
[03:26.01]自分今年
[03:28.56]二十七になります
[03:32.77]白髪がめっきり
[03:33.71]ふえたので
[03:35.51]たいていの人から
[03:37.31]四十以上に见られます