[00:00.00]90听音乐网 www.90T8.com [00:50.96]主よ、私は人間を殺めました。 [00:54.33]私は、この手で大切な女性を殺めました。 [00:58.71]思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格でした。 [01:08.23]他人というものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのです。 [01:13.19]私が認識している世界と、他人が認識している世界。 [01:17.79]私が感じている感覚と、他人が感じている感覚。 [01:22.51]『違う』ということは、私にとって耐え難い恐怖でした。 [01:28.26]それがいづれ『拒絶』に繋がるということを、無意識の内に知っていたからです。 [01:34.38]楽しそうな会話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えました。 [01:39.54]私には判らなかったのです、他人に合わせる為の笑い方が。 [01:45.05]いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていました。 [01:51.00]そんな私に初めて声を掛けてくれたのが、彼女だったのです。 [01:56.74]美しい少女(ひと)でした、優しい少女(ひと)でした。 [02:01.18]月のように柔らかな微笑みが、印象的な少女でした。 [02:06.83]最初こそ途惑いはしましたが、私はすぐに彼女が好きになりました。 [02:12.66]私は彼女との長い交わりの中から、多くを学びました。 [02:18.09]『違う』ということは『個性』であり、『他人』という存在を『認める』ということ。 [02:24.00]大切なのは『同一であること』ではなく、お互いを『理解し合うこと』なのだと。 [02:28.49]しかし、ある一点において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのです。 [02:33.37]狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知りました。 [02:37.91]もう自分ではどうする事も出来ない程、私は『彼女を愛してしまっていた』のです。 [02:45.00]私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白しました。 [02:49.97]しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしましました。 [02:54.39]その時の彼女の言葉は、とても哀しいものでした。 [02:59.26]その決定的な『違い』は、到底『解り合えない』と知りました。 [03:04.67]そこから先の記憶は、不思議と客観的なものでした。 [03:09.64]泣きながら逃げてゆく彼女を、私が追い駆けていました。 [03:14.87]縺れ合うように石畳を転がる、《性的倒錯性歪曲》(Baroque)の乙女達。 [03:19.95]愛を呪いながら、石段を転がり落ちてゆきました…… [03:24.65]この歪な心は、この歪な貝殻は、 [03:29.18]私の紅い真珠は歪んでいるのでしょうか？ [03:33.75]誰も赦しが欲しくて告白している訳ではないのです。 [03:39.73]この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのですから。 [03:44.74]この罪だけは、神にさえも赦させはしない…… [03:49.32]「ならば私が赦そう…」 [03:52.82]歪んだ真珠の乙女、歪なる日に死す……(Baroque Vierge' Baroque zi le fine……)
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[00:00.00]90听音乐网 www.90T8.com[00:50.96]主よ、私は人間を殺めました。
[00:54.33]私は、この手で大切な女性を殺めました。
[00:58.71]思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格でした。
[01:08.23]他人というものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのです。
[01:13.19]私が認識している世界と、他人が認識している世界。
[01:17.79]私が感じている感覚と、他人が感じている感覚。
[01:22.51]『違う』ということは、私にとって耐え難い恐怖でした。
[01:28.26]それがいづれ『拒絶』に繋がるということを、無意識の内に知っていたからです。
[01:34.38]楽しそうな会話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えました。
[01:39.54]私には判らなかったのです、他人に合わせる為の笑い方が。
[01:45.05]いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていました。
[01:51.00]そんな私に初めて声を掛けてくれたのが、彼女だったのです。
[01:56.74]美しい少女(ひと)でした、優しい少女(ひと)でした。
[02:01.18]月のように柔らかな微笑みが、印象的な少女でした。
[02:06.83]最初こそ途惑いはしましたが、私はすぐに彼女が好きになりました。
[02:12.66]私は彼女との長い交わりの中から、多くを学びました。
[02:18.09]『違う』ということは『個性』であり、『他人』という存在を『認める』ということ。
[02:24.00]大切なのは『同一であること』ではなく、お互いを『理解し合うこと』なのだと。
[02:28.49]しかし、ある一点において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのです。
[02:33.37]狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知りました。
[02:37.91]もう自分ではどうする事も出来ない程、私は『彼女を愛してしまっていた』のです。
[02:45.00]私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白しました。
[02:49.97]しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしましました。
[02:54.39]その時の彼女の言葉は、とても哀しいものでした。
[02:59.26]その決定的な『違い』は、到底『解り合えない』と知りました。
[03:04.67]そこから先の記憶は、不思議と客観的なものでした。
[03:09.64]泣きながら逃げてゆく彼女を、私が追い駆けていました。
[03:14.87]縺れ合うように石畳を転がる、《性的倒錯性歪曲》(Baroque)の乙女達。
[03:19.95]愛を呪いながら、石段を転がり落ちてゆきました……
[03:24.65]この歪な心は、この歪な貝殻は、
[03:29.18]私の紅い真珠は歪んでいるのでしょうか？
[03:33.75]誰も赦しが欲しくて告白している訳ではないのです。
[03:39.73]この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのですから。
[03:44.74]この罪だけは、神にさえも赦させはしない……
[03:49.32]「ならば私が赦そう…」
[03:52.82]歪んだ真珠の乙女、歪なる日に死す……(Baroque Vierge' Baroque zi le fine……)
