t-Ace
t-Aceは1981年4月3日に沖縄で生まれる。父の転勤から生まれて3年程で千葉に引っ越し、その後両親が離婚し親戚の家々に預けられ7歳の頃彼の祖母がひきとり茨城に住む。その後も父親方に籍をおいた彼を待っていたのは数回もの引っ越しや1人での生活だった。 彼が12歳になったころ新しい母親と実の父親との生活が始まる。この頃、いわゆる“ハラ違い”の弟ができた。だが新しい母親や久しぶりに一緒に生活する父親に慣れる事が出来ずほとんどの時間を外や友達と過ごしていた。すれ違いも多く家庭ではほとんど笑顔を見せる事はなかったという。HipHop Musicに出会ったのもちょうどこの頃で彼が14歳の時だった。「友達や先輩に恵まれた」と彼が言うように先輩達の影響からDJを始める。初めて好きな事が出来た彼はどんどんのめり込み中学を卒業する頃は「この音楽を職業にする」と決めていた。 高校進学を決めた彼だが入学後すぐに退学。東京に憧れをもっていた彼は東京近郊の千葉県松戸市に住む親戚を訪ねそこで仕事をし生活するようになる。彼が16歳の頃自分の判断ミスにより友達が殺されてしまうという事件が起きる。16歳の少年にはあまりにも過酷なその事件は彼を絶望へとおいやり夢をあきらめ茨城の実家へと帰ってしまう。その後は友人に誘われた鳶職をしながら茨城県水戸市にてまた音楽活動を再開する。 地元である水戸市はもともとHipHop Musicが盛んであったため、いわゆるStreet(路上やショップ、クラブなど自分達のコミュニティ)でMIX TAPEを発売する。それがたちまち人気となり初めてのリリースで1000本以上を完売させた。それからもリリースを続けた彼はBEATNUTS,MURO,BUDDHA BRAND,NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDなど多くのアーティストとのイベントで日本のシーンを間近でみる事となる。彼が21歳の頃水戸ではLUNCH TIME SPEAXがメジャーデビューを果たし、その圧倒的パワーに魅せられた彼はラッパーへの転向を決める。 恵まれたHipHopの環境やたくさんの音楽に囲まれた生活をするにつれ徐々に彼はこの音楽に対する不安感を抱いていった。ちょうどこの頃から「この音楽には内容がなさ過ぎる」と強く想い始め、現在のt-Aceが形成されていく。