秋元直子
小简介 1984年3月21日生まれ。 自身のルーツであるゴスペルと、ジャズを愛する27歳。エメラルド・ボイスと称される、美しく澄んだ歌声が大きな魅力。現在都内や横浜を中心にステージを重ね、jazzファンのみならず多くのリスナーを魅了し続けている。 その衝撃的な初遭遇は、数年前、都内某ジャズ・バーにおいて。まだ20代前半のキュートな女のコは、恒例のセッション形式ライヴ二度目の参加にして、耳の肥えたリスナー達の圧倒的な支持を受け、10曲も歌声を披露してくれたのだった。以来、本人のライヴに数多く足を運んできたが、それらの覚書の中に「相当な研鑽を積み、それを楽しむ確かな『志』の持ち主。何よりも声に力がある」とある。秋元直子の伸びやかで柔らかな歌声は、的確なヴォイス・コントロールと情操に裏打ちされており、熱唱とはまた違う確かな説得力を持っている。自然と心に染み入り、いつまでも聴いていたくなる──歌詞に生命が過不足なく息づいていて、ありがちな「癒し系」とは一線を画す。初心者もベテランも虜にする彼女のヴァーサタイルな魅力が凝縮された1stアルバムのリリースは、我々ファンだけでなく、全国のジャズファンにとっても喜ばしい「史実」となろう。ヴァン・モリソンのカヴァー、オリジナル、(共演陣の好サポートも光る)お馴染みのスタンダード、Jポップの日本語カヴァー…どの曲も秋元直子というジャズ・ヴォーカリストの特性を如実に現している。英語圏の外国人客がいれば流暢な英語でMCを添える姿勢に、言語やジャンルの壁を軽く跳び越え、ジャズ・シーンに新たな命を吹き込んでいく秋元直子の姿が私には見える。 『No One Else』──他の誰でもない、あなたへ──このアルバムのタイトルに込められた想いのなんと爽やかなことだろう。歌はその人を映す鏡だ。秋元直子の歌声は、あたたかく力強く、聴き手の心の深きへとまっすぐに伸びてゆく。迷いもなく衒いもない、そのどこまでも真摯な歌声によって、私たちは限りないドラマへと誘われる。聴くたびに心き乱され胸焦がされる──これこそがジャズのあるべき姿ではないだろうか。